冬が近づくと、大根の保存が気になりますよね。特に、たくさん収穫した場合、どうやって新鮮さを保つかは大きな課題です。ここでは、土中横向き保存法を使って、大根を美味しく越冬させる方法を紹介します。この方法なら、春まで大根の鮮度を保つことができますよ!
大根の土中保存法の基本
越冬大根の土中保存方法は地域や人によってとても様々なやり方があります。
収穫後、葉を落としてまとめて深い穴の中に埋める場合。

葉を少し切って45℃に並べて植える場合

土中保存のそれぞれの方法のメリットデメリット
保存方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
葉っぱを全部切る | ・水分や栄養の葉への流出を防ぎ、根の品質を保つ | ・新たな栄養吸収の手段を失い、長期保存に不向き |
葉っぱを少し切る | ・一定の光合成を維持し、大根が生き続けるのを助ける | ・葉が残ると腐敗や病害のリスクが高まる |
葉っぱを全て残す | ・大根が自然な状態で生存し、栄養価を保つ | ・葉が残ると腐敗や病害のリスクが高まり、葉の腐敗が根に悪影響を及ぼす可能性 |
縦に植える | ・自然な成長方向でストレスが少なく、安定性が高い | ・スペースの効率的な使用が難しく、大量保存に不向き |
横に植える | ・スペースを効率的に使用でき、大量保存に適している | ・自然な成長方向から逸脱し、形が変わる可能性。通気性の低下のリスク |
45度に植える | ・スペースの効率的使用と自然な成長方向のバランスを取れる | ・設置が手間がかかり、完全な安定性に欠ける可能性 |
保存方法を選ぶ際は、これらの特性を考慮し、自分の状況に最適な方法を選択することが重要です。また、地域の気候や土壌の条件によっても最適な方法は異なるため、状況に応じて適切な方法を選ぶことが望ましいです。
越冬大根の保存法:土中横向き保存のステップバイステップ
土中横向き保存法は、大根を土の中に横に寝かせて保存する方法です。これにより、大根は自然な状態で冬を越し、鮮度を保つことができます。
葉を残すことで光合成ができる為、栄養が損なわれないと言われています。少しだけ残す方法では、暖かくなるとまた葉っぱが伸びてきます。
適切な収穫:まず、霜が降りる前に大根を収穫します。大根が十分に成長した状態で収穫することが重要です。
保存用の穴を掘る:次に、大根を保存するための穴を掘ります。縦に埋める方や、丸ごと埋める方は深さは約30cm程度が適切です。横向きの場合は、大根の白い部分が隠れるように上から土を盛るので、15㎝くらいで大丈夫です。
大根を横向きに配置:大根を穴に横向きに並べます。大根同士が触れないように、適切な間隔を空けて配置しましょう。
通気性の確保:大根同士が重なると、通気性が悪くなります。通気性が悪いと、湿気が溜まりやすくなり、それが腐敗の原因になる可能性があります。
均一な環境:大根を重ねずに置くことで、各大根が均一な環境に置かれます。これにより、一部が腐りやすいという問題を防ぐことができます。
病害虫のリスク低減:重なっている部分は病害虫や病気の感染リスクが高まります。大根を重ねずに置くことで、このリスクを減らすことができます。
土で覆う:大根を土で覆います。土は軽く押さえつける程度で、大根が霜から守られるようにします。
葉の根本まで土をかぶせます。

大根の葉を出して、雨が降った時に流れるように真ん中の土を盛り上げるようにしておくといいです。
斜め45℃にして下に水はけを作っておくのもいいです。
マーキング:ここでは、横向きの葉つきのまま保存していますが、地域や人により、縦保存や葉を取って埋めてしまう方もいるので、そういった場合はどこに大根を保存したか忘れないように、目印をつけておきます。
この方法で、大根は自然な状態で冬を越し、春まで新鮮さを保つことができます。
開始時期:大根の土中保存は、通常、秋から冬にかけての時期に始めます。具体的には、大根が十分に成長し収穫期を迎えた後、霜が降りる前に開始するのが一般的です。これは、多くの地域で10月から11月頃にあたります。
終了時期:保存期間は、翌年の早春まで続けることができます。具体的には、地域の気候にもよりますが、3月から4月頃までが一般的です。ただし、春になると気温が上昇し、土の中の大根が芽を出し始める可能性があるため、その前に収穫することが望ましいです。
横向き保存法で大根を冬越し!基本ガイド
横向き保存法は、特に大量の大根を保存する際に便利です。この方法のメリットは、大根が自然な状態で保存されるため、鮮度が長持ちすることです。
土の選び方:土中横向き保存法では、水はけの良い土を選ぶことが重要です。水はけが悪いと、大根が腐りやすくなります。
保存場所:保存する場所は、日当たりが良く、水はけの良い場所を選びましょう。また、直接的な霜や雪から守るために、適切な場所選びが重要です。
土の管理:保存期間中は、土の湿度を適度に保つことが大切です。過度に乾燥させないように注意しましょう。
横向き保存法のメリットと選び方
冬に大根を保存する方法はいくつかありますが、横向き保存法は特に効果的です。このセクションでは、横向き保存法のメリットと、この方法に最適な大根の選び方について解説します。
大根を横向きに保存するメリットとは?
横向き保存法にはいくつかのメリットがあります。
- 均一な保存環境:大根を横に寝かせて保存することで、根全体が均一な環境に置かれます。これにより、一部が腐りやすいという問題を防ぐことができます。
- スペースの有効活用:横向きに保存することで、限られたスペースを最大限に活用できます。特に、大量の大根を保存する場合に効果的です。
- 自然な保存状態:土の中で自然に近い状態で保存されるため、大根は長期間新鮮さを保つことができます。
- 霜害からの保護:土に覆われているため、霜害から大根を守ることができます。これにより、冬の厳しい寒さから大根を保護することが可能です。
土中保存法に適した大根の選び方
土中保存法に最適な大根を選ぶには、以下のポイントに注意しましょう。
- 大根のサイズ:均等なサイズの大根を選ぶことが重要です。サイズが均一であれば、保存時に大根同士が適切に配置され、均等に保存されます。
- 健康な状態の大根:傷や病気の兆候がない健康な大根を選びましょう。傷があると、そこから腐敗が始まる可能性があります。
- 成熟度:過熟または未熟な大根は避け、適切に成熟した大根を選ぶことが重要です。適切に成熟した大根は、保存中に品質が保たれやすいです。
- 品種:寒さに強い品種を選ぶと、保存中の品質がより良く保たれます。地域の気候に適した品種を選ぶことをお勧めします。
- 青首大根:寒さに比較的強く、肉質がしっかりしているため、保存に向いています。
- 宮重大根(みやじゅうだいこん):沖縄県原産の大根で、肉質が密で保存性が高いとされています。
- 桜島大根:大型で肉質が密なため、適切に管理すれば長期保存が可能です。
- 紅くるり大根:外皮が赤く、中は白い大根で、肉質がしっかりしており、保存に適しています。
- 水大根:水分が多く、シャキシャキとした食感が特徴ですが、適切な湿度管理を行えば横向き保存が可能です。
地域の気候や土壌条件に合った品種を選ぶことも、成功の鍵となります。
大根は寒さに強い食物ですが、一般的に青首大根が家庭菜園の土中保存には向いてるかもしれませんね。
土中保存の大根の状態
土中保存ができるのは大変ありがたいですが、実際長期保存した大根の品質や味等がきになりますね。
何か月も土中保存した大根はどうなっているのででしょうか?
土中保存した大根の味
土中保存をすることで大根の栄養や効能、甘味などにいくつかの変化が生じる可能性があります。以下にその主な点をまとめます:
- 栄養の保持:土中保存は、大根が自然な状態に近い形で保存されるため、栄養素の損失を最小限に抑えることができます。特にビタミンやミネラルなどの水溶性栄養素は、適切な保存方法によってより長く保持されます。
- 甘味の増加:なんと寒さにさらされることで、大根内のでんぷんが糖に変化し、甘味が増すことがあります。これは「糖度上昇」とも呼ばれ、冬の大根が特に甘く感じられる理由の一つです。
- 効能の維持:大根に含まれる消化酵素や抗酸化成分などの効能は、土中保存によって自然な状態で保たれるため、効能の低下を防ぐことができます。
- 食感の変化:土中保存によって、大根は適度な水分を保ちながらも、シャキシャキとした食感を維持することができます。ただし、保存環境が適切でない場合は、水分が失われてしまうこともあります。
- 腐敗のリスク:土中保存は自然な方法ですが、管理が不適切だと腐敗のリスクがあります。特に湿度が高すぎると、大根が腐りやすくなるため、適切な湿度管理が重要です。
土中保存は、大根の品質を長期間保つのに効果的な方法ですが、保存環境の管理が重要です。適切な管理を行うことで、大根の栄養、効能、甘味を最大限に保つことができます。
土中保存で低温状態を保つことで辛みが抜け、みずみずしい食感と甘さが増すのです。
収穫した大根の保存方法
土中保存以外にはどんな保存方法があるのでしょうか??
1. 冷蔵保存
- 方法:大根を清潔に洗い、水気をよく拭き取ります。根元と葉の部分を少し切り落とし、新聞紙やキッチンペーパーで包んでから、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存します。
- ポイント:葉を取り除くことで、大根から水分が奪われるのを防ぎます。また、新聞紙やキッチンペーパーが余分な湿気を吸収し、腐敗を防ぎます。
- 期間:約1週間から2週間程度
冷暗所なら常温保存で2週間から1ヵ月持ちます。その際は、ビニール袋に縦にいれて、米袋で保存しておくといいです。
2. 吊るし保存
- 方法:大根の葉の部分を束ねて、風通しの良い涼しい場所に吊るして保存します。
- ポイント:空気の循環が良いため、腐敗を防ぎやすいです。ただし、乾燥しすぎないように注意が必要です。
- 期間:約1ヶ月程度
3. 凍結保存
- 方法:大根を洗い、適当な大きさに切った後、湯通ししてから冷まし、密閉容器やフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存します。
- ポイント:凍結することで長期間保存できますが、解凍後は食感が変わる可能性があります。煮物などに使用するのが適しています。
- 期間:約2~3ヶ月程度
4. 漬物として保存
- 方法:大根を切り、塩漬けや酢漬けなどの漬物にして保存します。
- ポイント:漬物にすることで、風味が増し、長期間保存できます。さまざまな味付けで楽しむことができます。
- 期間:塩漬けの場合は数週間、酢漬けや味噌漬けの場合は数ヶ月保存可能です。
大根の収穫は嬉しいけれど、一度に沢山消費できない時、保存の仕方を知っておくと便利ですね。土中保存が半年近くもできると、嬉しいですね。葉つきのままや、全て埋めてしまうやり方など、環境によって変わるので、是非どれが自分の所ではあっているのかを実験してみるのもおもしろいですね♪
大根は家庭菜園の鉄板野菜ですので、毎年新しいチャレンジをして楽しみましょう☆
コメント