家庭菜園を初める時に一番に育てたいと思ったのが実はロマネスコでした。どうせ作るならスーパーで売っていない物が作りたかった私は、スーパーフードで調べていた時に出会ったのがロマネスコでした。初めて見た画像写真に一目ぼれ。世界一美しい野菜と言われているロマネスコをあなたも育ててみませんか?
ロマネスコの基本情報
ロマネスコ、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんね。その美しいフラクタルパターンの花蕾は、見ているだけでも楽しいですよ。さらに、その味わいも絶品です。早速ですが、一緒にその魅力を見ていきましょう。

ロマネスコとは何か?

ロマネスコはカリフラワーやブロッコリーと同じアブラナ科で、花蕾を収穫する野菜です。サンゴのような形をしたユニークな花蕾の形状は「世界一美しい野菜」とも称されるほど。
原産地はイタリアで、特にローマ周辺でよく見かけます。その名前もローマが由来となっています。
冷涼な気候を好むので、日本で栽培する場合は、夏の終わりに苗を植えて涼しくなる秋から冬に向けて育てます。
ロマネスコの特徴と利点
ロマネスコの特徴的な形状は、フラクタルパターンと言われ、数学的にも興味深いもの。それに、その美しい緑色はガーデンに彩りを添えてくれます。
「フラクタル=自己相似性」・・・図形の全体を一定の法則でいくつかの部分に分解していった時に全体と同じ形が再現されていく構造です。

正三角形の中に正三角形を作っていく上の図のような構造で、ロマネスコは自然のフラクタル構造になっています。これが何とも神秘的で美しいと言われています。

また、ロマネスコは栄養価も高く、ビタミンCをはじめとするビタミン類やミネラルが豊富です。そのため、料理に使うだけでなく、健康的な生活を送る上でも大変重宝します。
ロマネスコ栽培の前準備
ロマネスコに魅了されたところで、どうやって栽培するのか見ていきましょう。
初心者の方でも、ちょっとしたコツを掴めば、成功させることができます。まずは、ロマネスコ栽培の前準備について説明します。
適した土壌の選び方
ロマネスコは、水はけが良く、肥沃な土壌を好みます。酸性とアルカリ性の間の中性に近いpH値が適しています。
土壌をpH6~6.5ほどの酸度にし、苗を植える2週間前に元肥を施します。
ロマネスコを植える前に、土壌のpHを測るためのキットを購入し、土壌の酸度を確認することをおすすめします。
酸性土壌をアルカリ性にするには、カキ殻や貝化石が原料の「有機石灰」などといった、石灰資材(アルカリ性資材)を土に入れます。
pHの調整に使う苦土石灰の量は、畑や庭にまく場合は1㎡につき100g、プランターなど少量の土の場合には5ℓにつき6g(小さじ1強)程度が目安です。
これは平均的な土質で、pH値を0.5上げるときの量になります。
理想的な植え付け時期
ロマネスコは春または秋に植えるのが最適です。春に植えれば初夏に、秋に植えれば早春に収穫ができます。
・種まき(育苗):春まき2月/夏まき7月
・植え付け:春まき3月/夏まき8月
・収穫:春まき5~6月/夏まき11月〜翌2月
※温暖(中間)地基準例年9月下旬から10月上旬に種をまき、年明けすぐの収穫を目指します。
ロマネスコはイタリア野菜ですから生育気温は15~20℃位が 適温で花蕾を付ける頃に気温が下がると締まりの有る良い物が 収穫出来ますが、余り温度が下がると生育は停止気味に成ります。
マルチは雨による泥はねを防ぎ、病気にかかりにくくする効果があります。ほかにも、雨で土が固まらずふかふかの状態を維持してくれたり、保温効果や雑草を防いだりというメリットもあるので、マルチを張っておくのはおススメです♪
ロマネスコの種まきと苗の育て方
ロマネスコの種まきと苗の育て方、このステップは、ロマネスコが成功するかどうかを決める大切な部分です。でも、心配しないでくださいね、ちょっとしたコツを覚えてしまえば誰でも簡単にできますよ。
ロマネスコの種まき方法
ロマネスコの種を選びます。
品種 | 特徴 | 利点 |
---|---|---|
ミケランジェロ | 大型で豊かな緑色の渦巻き形状。辛味が特徴。 | 厚みがあるので、炒め物やスチーム、ローストに適している。また、辛味が特徴なので、スパイシーな料理によく合う。 |
ダ・ヴィンチ | 中型で淡い緑色。甘味が特徴。 | サイズが扱いやすく、甘味があるので生食やサラダに適している。また、子供にも受け入れられやすい。 |
ネオ・スパイラル | 細かい渦巻き模様。淡い味わいが特徴。 | 繊細な風味があるので、素材の味を生かしたい料理に良く合う。また、その美しい見た目は盛り付けにも役立つ。 |
スパイラル | 一般的なロマネスコの形状と風味。 | 万能型で、どんな料理にも使える。旬の時期が長いので、いつでも手に入りやすい。 |
我が家では、家族で種まきを楽しんでいます。子供たちも大喜びで、自分がまいた種が大きく育つのを待つのが楽しみで仕方ありません。

水やりの頻度と方法: 最初の2週間は、毎日または土が乾いたらすぐに水を与えます。種まき後すぐは、土が湿っている状態を保つことが大切です。水は優しく、種を流さないように与えます。これにより、種は発芽のための適切な湿度を維持できます。
苗が出てきたら: 苗が出てきたら、1日1回または2日に1回、土の表面が乾いたら水を与えます。土が湿っている状態を保つことが重要ですが、過水やりは避けましょう。過度の湿度は根腐れを引き起こす可能性があります。
種から育てる場合、発根するまでは直射日光を避け、涼しく日の当たらない場所に置くようにしてください。
新聞紙を上にかぶせておくのでもいいです。
発根したら双葉が開く前に、日当たりの良い場所へ移動させてください。日当たりの良い場所に出すタイミングが遅れると徒長した苗になるので、注意しましょう。
苗の管理と成長過程
ロマネスコの苗は、約1ヶ月で10-15cm程度に成長します。その時点で本格的な栽培の準備に移ります。
苗にするまではマンション住まいの人でもベランダでできちゃいます。
種をまいた後の水やりはとても大切ですので、毎日管理ができる場所でするのがおススメです。


ポットで苗にするまでの土はホームセンターに売っている有機培養土等で簡単にできちゃいます。
ロマネスコの定植と栽培
苗が十分に成長したら、いよいよ本格的な栽培が始まります。ここがロマネスコ栽培の一番重要な部分です。失敗しないためのコツをしっかり抑えて、美味しいロマネスコの収穫を目指しましょう。
定植のタイミングと方法
苗が十分に成長したら、定植の時期です。間隔を広くとり、各苗が十分に日光を受けられるようにします。深さ15cm、幅20cmの穴を掘り、先に水を撒いてからそこに苗を植えます。

そして、植えた後には、十分な水分を確保するためにたっぷりと水やりをします。定植したら、その成長を楽しみに待ちましょう。

ロマネスコの水やりと肥料管理
土の表面が乾いたら、たっぷり株全体にたっぷり水やりします。季節にもよりますが、1日1回が目安。朝に水やりを行い、夕方には土の表面が乾く程度にします。土の中に湿度を保たせるのがコツで、土の中が乾いているとロマネスコは美味しく育ちません。
植え付け後は、3週間に1回の頻度で追肥をします。追肥と共に土寄せをすることもお忘れなく。葉っぱが大きくなるに連れ土寄せしていないと、傾いてきたりグラグラしてしまいます。
追肥にはボカシ肥がおススメです。
葉の先端の真下は、ちょうど根が伸びてきているところなので、養分を効率よく吸わせることができます。
マルチ栽培の場合は、マルチをめくるか、切り込みを入れて追肥します。
病害虫対策とロマネスコの健康維持
皆さんのロマネスコが元気に育っていることを願っています。ですが、忘れてはならないのが病害虫対策とロマネスコの健康維持です。残念ながら、野菜を育てるということは、病害虫との戦いでもあるんです。でも心配いりません、一緒に予防と対策を学びましょう。
主な病害虫とその対策
ロマネスコはアブラムシやヨトウムシなどの害虫に非常に狙われやすいです。これらの害虫に対する対策として、私はマルチと防虫ネットをオススメします。実際にマルチ&防虫ネットをした方としなかった方の畝では被害の差が歴然でした。
ヨトウムシは葉の裏側に卵を産みます。数百匹から数千匹とかなり多い数を産むので、早めに発見しないと手遅れになってしまいます。沢山の幼虫が葉を食い荒らすので被害はとても大きいです。
シンクイムシは孵化した後、茎の中に侵入し、葉や茎を食い荒らします。成虫は夜の間に葉の裏に卵を50粒ほど産み付けます。幼虫は土の中で生活することが多いので、適度に土を耕したり、土の中を確認したりしてください。
外出するとよく見かけるハトやスズメなどの鳥類は、エサを求めて畑やプランターにやってきて、苗や種などを食べてしまいます。「発芽しない」「葉が何枚も抜ける」と不思議に思ったら、鳥を疑ってください。寒冷紗や防鳥ネットで鳥の侵入を防ぎましょう。

虫を見つけた時の対策
- 防虫ネットをする
- 見つけたらすぐ手で取り除く
- 葉っぱに木酢液を吹きかける
- ロマネスコとロマネスコの間にレタスを植える
- てんとう虫を集める
せっかく手間をかけて作ったのに虫に食べられる事ほど悲しい事はないですね。予防対策をして乗り切りましょう。
そして、ナナホシテントウはアブラムシ以外にも青虫も食べてくれるそう。我が家ではてんとう虫を探すのが、子供達のお仕事になっています。

ロマネスコの健康管理
病害虫対策と同じくらい重要なのが、ロマネスコ自体の健康管理です。ロマネスコの成長を観察し、乾燥や黄色く変色するなどの病気の兆候があったらすぐに対処します。
ボトニング

低温が原因で、花蕾が大きく成長せず小さいうちに発芽分裂してしまう病気です。
対策:適切な栽培期間を選択します。苗を育てる際の気温を最低10℃以上に保つことで防げる病気なので、温度管理はしっかりしましょう。ロマネスコは涼しい気候を好むため、熱帯地方では冬に、温帯地方では春や秋に育てるのが一般的です。高温や日照不足はボトニングを引き起こす可能性があります。
リーフィー
花蕾の中に小葉が発生する病気です。窒素が多すぎたり、花芽分化した後に温度が高温になってしまっていたりするのが原因です。また、肥料の与えすぎが原因ともいわれています。
対策:花蕾が大きく成長するときの肥料を控えめにしたり、温度調整をしたりすることでリーフィーを防ぐことができます。また 適切な水分を提供します。乾燥を防ぐために定期的に水を与えます。
黒腐病
ロマネスコ等アブラナ科全般に、育てはじめから収穫までのどの期間でも発生する可能性のある病気です。黄色い病斑が広がり、やがて乾燥して破れやすくなります。先がへこんだ形の子葉が生えてくるようになります。
対策:土壌の湿度を適切に管理し、良好な通気性を確保します。病気の兆候が見られた場合は、早期に感染した植物を取り除きます。さらに、健康的な植物を育てるために、堆肥などの有機物を使用して土壌の健康を維持します。
根朽病
茎や葉に黒い模様がついてしまう病気です。まだ十分に育っていない苗の時期にかかってしまうと、被害が大きくなり、手に負えないという最悪の状態にまでなってしまう可能性があるので、一番防ぎたい病気です。空気感染、種子感染してしまいます。
対策:土壌の湿度と排水を適切に管理します。土壌が湿った状態にならないように注意し、植物が適切な水分を確保できるようにします。また、健康的な根系を育てるために、有機質の堆肥を土壌に混ぜます。
ロマネスコの収穫と保存方法
いよいよ最も楽しみな部分、ロマネスコの収穫と保存方法についてです。自分で育てたロマネスコを収穫するのは、とても達成感がありますよ。そして、収穫したロマネスコを上手に保存し、美味しく食べるための方法も一緒に見ていきましょう。
ロマネスコの収穫時期と方法
ロマネスコの収穫時期は植え付けから約3ヶ月~5ヵ月後です。ロマネスコの頭部が約15cm程度に成長したら収穫の準備ができています。私は収穫用ナイフを使って、茎から切り取ります。

収穫したばかりのロマネスコは、その鮮やかな緑色と美しいフラクタル形状が最高に美しいです。これを見ると、栽培の手間を忘れてしまいますね。
不要になった株は細かく刻んで、その場に埋めます。土の中で分解され堆肥の役割を果たしてくれます。
ロマネスコの保存方法と使い方
ロマネスコは収穫後、冷蔵庫で約1週間保存できます。食べる部分は花蕾なので、密閉袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存します。

ロマネスコの茹で方や調理方法はブロッコリーと同じように考えてOK

ロマネスコは高栄養
ロマネスコはさまざまなビタミン、ミネラル、食物繊維、そして抗酸化物質を含んでおり、健康的な食事に役立つとされています。具体的には、以下のような栄養素が含まれています(量は100g当たりの平均値で、具体的な数値は栽培条件や品種により異なります):
- ビタミンC: ロマネスコはビタミンCの優れた供給源であり、100g当たり約70-100mgを含んでいます。ビタミンCは、ビタミンCは、免疫系の健康をサポートするとされ、抗酸化作用が期待されます。
- ビタミンK: ロマネスコはビタミンKも豊富に含んでいます。このビタミンは、血液の凝固や骨の健康をサポートする栄養素とされています。。
- ビタミンA: ロマネスコはまた、ビタミンAの良好な供給源でもあります。ビタミンAは視覚や免疫系、皮膚の健康に寄与する栄養素とされています。
- 食物繊維: 100g当たり2-3gの食物繊維を提供します。食物繊維は、消化系の健康を維持し、便通を良くし、飽和感を提供することで体重管理に役立つとされています。
- 抗酸化物質: ロマネスコは抗酸化物質を含む野菜の一つで、特にカロテノイドとフラボノイドを含んでいます。これらの抗酸化物質は、細胞を自由ラジカルのダメージから保護し、全般的な健康を維持します。
- ミネラル: ロマネスコはカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など、さまざまな重要なミネラルを含んでいます。
全体として、ロマネスコは低カロリーで栄養価が高く、その美味しさと健康への利点から、健康的な食事の一部として積極的に取り入れることを推奨されています。
ロマネスコの美味しさを最大限に引き出したレシピ
そして、私のおすすめの食べ方は、オリーブオイルとニンニクで炒めるだけのシンプルなもの。これだけで、ロマネスコのクリスピーな食感と独特の風味が楽しめますよ。
ローストロマネスコのレシピをご紹介します。これは、ロマネスコの自然な風味を引き立てるシンプルな調理法です。
ローストロマネスコ
材料:
- ロマネスコ 1つ
- オリーブオイル 大さじ3
- 塩 小さじ1/2
- 黒こしょう 少々
- ニンニク 2かけ(細かくみじん切り)
- レモン(オプション) 1/2個
手順:
- オーブンを200℃に予熱します。
- ロマネスコは花びら状に小さく切ります。大きすぎる場合は、さらに半分に切ることもできます。
- ロマネスコをボウルに入れ、オリーブオイル、塩、黒こしょう、そしてみじん切りにしたニンニクを加えてよく混ぜます。
- シリコンシートまたはアルミホイルで覆ったベーキングシートにロマネスコを広げます。
- オーブンで約20-25分間、またはロマネスコが金色になり、外側がカリッとするまで焼きます。
- オーブンから取り出し、オプションでレモン汁をかけます。
- すぐにサーブします。
このレシピは非常にシンプルで、ロマネスコの自然な甘さと風味を引き立てます。また、パスタやリゾット、サラダとの組み合わせもおすすめです。ローストしたロマネスコは、そのまま食べても美味しいですし、主菜のガーニッシュとしても使えます。レモンの酸味はロマネスコの風味をさらに引き立てます。
ロマネスコとベーコンのスパゲティ by Mme*Pierre
ロマネスコの栽培のポイント
ロマネスコの栽培で大事な事は、時期を見る事です。
ロマネスコは温暖地の栽培では6月終り頃~8月始めに種蒔きをして 8月~9月に定植して11~1月頃に収穫する冬型の野菜ですが 種蒔きが早く夏に花蕾が出来てトウ立ちが進んでしまう事も。 ロマネスコはイタリア野菜ですから生育気温は15~20℃位が 適温で花蕾を付ける頃に気温が下がると締まりの有る良い物が 収穫出来ますが余り温度が下がると生育は停止気味に成ります。
よくある失敗例とその対策
一番よくある失敗は、水やりの調整です。ロマネスコは乾燥に弱いですが、逆に水をやりすぎると根腐れの原因になります。土の湿度を触ってチェックしましょう。
また、病害虫によるダメージも忘れてはならない問題点です。早めの対処が肝心なので、観察を頻繁にしてください。
ロマネスコの種取り
ロマネスコは収穫せずに置いて置くと黄色い花を咲かせます。綺麗に咲かせるには、苗が育ってきたらこまめに間引き、株間を調節するのがコツです。

種を採取するには、収穫をせずに花を咲かせ、枯れるまでしばらく放置しましょう。花が枯れて茶色く変色し、乾燥したら、種を花から採取します。しかし、「交配種」「○○交配」「F1」と購入した時の種の袋に記載されていたものは、育てたものと同じような特徴が出にくいです。種を取る場合はそれを理解して、異なる種が出るのを楽しむようにしましょう。
ロマネスコは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。 ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。
いかがでしたか?
ロマネスコの美しさと栄養満点に惹かれ栽培に挑戦してみたくなりましたか?
最後にロマネスコを作って家族や親せき、友人に渡すとみんな驚き賞賛し、喜ばれる事間違いなしです。
何より話が膨らみます♪
是非とも世界一美しい野菜ロマネスコの栽培を楽しんでみてくださいね☆彡
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